LB4
キーンコーンカーンコーン……
キーンコーンカーンコーン……
部活終了時間を告げるチャイムが鳴った。
提出しなければならない数学の問題は、まだ3分の1ほど残っている。
「最後にもうひとつ聞いていい?」
「ひとつだけだぞ」
「あの彼女のこと、何番目に好きだった?」
この質問に、藤川はなんじゃそりゃ、という顔をして即答する。
「文句なしで、1番好きだったよ」
1番。
なのに、ダメだった。
「そっか。やっぱ1番の人とは結ばれないようにできてるのかな」
「あー、そうかもな。これからは、最高の2番を探すことにするよ」
最高の2番、か。
1番の人を思い続けるよりも、諦めることで得られる幸せがきっとある。
それがきっと救いになる。
「あたしも探そう」
あたしの1番はやっぱり、大悟くんなんだ。
これからもきっと、彼ほど焦がれる人は現れない。
それがたとえ幼稚な幻想に包まれた恋心であっても、美しい思い出としていつまでも心の中で輝き続ける。
だけど彼を思い続けることは幸せに繋がらないから、最高の2番と幸せになろう。
最高の2番は、きっと1番大切な人になる。
「つーかお前は2番を探す前に数学を何とかしろ」
「あーもうせっかく数学のこと忘れてたのにー」
「忘れんな! やれ!」
あたしたちの下らない言い争いと笑い声が、二人しかいない教室にやけに響く。
教室で堂々と悩みたくなるほど苦しいけれど、あたしは向き合わなければならない。
失恋とも、田中とも、ついでに数学とも。