LB4




翌朝。

家でやって朝イチで提出すると約束した数学のノートを職員室へ持って行って、教室に入った。

挨拶を交わしながら席へ着く。

田中はまだ来ていない。

「おはよーえみ」

「今日はなんかおそくなーい?」

恭子と織恵がやってきた。

「あーうん。数学のノート出してきた」

「昨日終わらなかったの?」

「そう。家で何とか終わらせた」

三人でわいわい話していると、開けっ放しになっている教室の前扉から、田中が入ってくるのが見えた。

ドキッというより、ギクッとする。

「田中ーおはよー」

「おはよー」

何も知らない恭子と織恵が普通に声をかける。

「おう、おはよう」

田中も普通に返している。

「お、おはよ……」

あたし、普通にできたかな?

「ん、おはよ」

田中はいつもより小さい声で返して、スクバを机に掛け、すぐに教室のどこかへと行ってしまった。

……え? あれ?

それだけ?

いつももっと、嫌なこととかたくさん言ってくるよね?

昨日告白したから、田中も気まずく思ってる?

恭子と織恵に視線を移す。

二人は田中の変化になど全く気付いていないようだった。

「ねーえみ、聞いてる?」

「あ、うん」

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