LB4
板東のいるミーティングスペースに戻る。
「ただいま」
「お帰りなさい。ここ、これでどうですか?」
私がコーヒーを飲んでいる間に少し進めておいてくれたようだ。
「見せて」
「色味はもう一度デザイナーと相談しますけど、これなら提示されたサイズで収まります」
「いいじゃん。ここはこれで提案しよう」
「そしたらこっちもサイズ通り行けるので、元のタイプに戻して……」
彼の指を追って図面を見るが、ふと手の方に意識が行った。
この手で、私に触れたんだ。
板東が説明を続けているのに、全然頭に入ってこない。
「ああっ! もうダメだ」
思わず口に出し、頭を突っ伏す。
胸に溢れてゆくムラムラ感。
仕事中にこんな気持ちになるなんて自分が許せない。
昨夜の板東に、体だけでなく脳まで支配されてしまった。
「えっ? ちょっと、大丈夫ですか相澤さん」
何となく罪悪感を含み、心配そうに声をかけてくる。
私に無茶させたことを少しは反省しているだろうか。
「大丈夫」と答えようと思って顔をあげる。
すると、板東は反省どころか、うっすらほくそ笑んでいた。
まるで私の考えていることなど全てお見通しだというように。