LB4

私の中に潜んでいた良からぬ女の欲が疼き始める。

真面目で人当たりが良く、邪気がなくて世間知らずで危なっかしい。

清潔感のかたまりのような風貌で、性欲すら微塵も感じさせない。

そんな彼がこれから私をどう口説くのだろう。

溢れ出す好奇心が止まらない。

すでに仕事が手につかないほど参っているのに、まだまだ彼に掻き乱されたい。

必死に私を手に入れようとする彼を夢中にさせて、手玉にとって、私のものにしたい。

「悪女か、あたしは」

ため息をつき、左手でショートボブの髪をくしゃっと握った。

ワックスでスタイリングした髪は、手を放すとしばらく手に貼り付いてポトッと落ちていった。

同じ職場の人間とは、家族や恋人よりずっと長い時間を共に過ごす。

それが男と女の組み合わせなら、友情や仲間意識とは違う感情が芽生えるのは自然なことだと思う。

だから家族愛や恋愛と同じように、同僚愛という愛の形があってもいいのではないだろうか。


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