T&Y in神戸


「は、半日、」
と思い当たるのか、由香利が顔を赤くして金魚のように口をぱくぱくさせる。
余りの可愛らしさに、額を唇で撫でると。
「たあ、ちゃん?」
由香利は更に顔を赤くした。
唇に触れる額の熱に自然と煽られ、額から、こめかみ、目蓋、頬へと唇が離せない。

ーーーー態々牽制したのに、この流れはヤバい、だろ。

「たあちゃん…くすぐったいよ。」
「ああ。」
誤魔化すように唇を引き剥がし代わりに由香利の顔を胸に押しあて、髪に顔を埋めた。

鼻を擽る由香利の匂い……柔らかな由香利の身体。

「……もう、言うことは無いか?」

とってつけた言葉を、突っ込むような無粋な奴等がいないことに、胸を撫で下ろす。

由香利は首を横に振ると、胸に頬を寄せ、もう少しこうしてて、と可愛いことを言う。

髪を指で透きながら、アタマを上げそうになる欲と戦う。
「ーーーお腹、空かないか?」
ルームサービスで夜食でも頼むかと言えば。

「……お夜食、その、……一緒に食べたことがあるの?」

危機感を上回る由香利の妄想に、「ははっ」と思わず、声を上げて笑ってしまった。

「~~~。」
笑われて頬を膨らます、由香利の妄想は尽きない。





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