T&Y in神戸


由香利を先に風呂にいれて、その間に一息つく。


部屋には小さなデスクと、先程まで由香利が座っていた窓際のソファ。
閉ざされたカーテンは明るいペイズリー柄。
ツインのベッドは春らしいピンクベージュのカバーがかかっていた。

備え付けの冷蔵庫を開けると由香利が飲めそうな物はミネラルウォーターと炭酸水オレンジとリンゴのジュースぐらいしか入っていない。


「たあちゃん、上がったよ?」

由香利が濡れた髪をわしゃわしゃと拭きながら風呂から上がる。
「髪を乾かさないと駄目だろ。」
「んー、ここで乾かすから、」
大丈夫とバックからドライヤーを取り出した。
「……ドライヤーを持参したのか。」
ドライヤーに煽られた髪がさらさらと揺れる。
「ママがホテルのドライヤーは乾きにくいってーー」
柏木が言った、「みんなが知っている」の言葉を思い出し思わず笑った。
「お土産は何人分必要なんだ?」
由香利の顔がパッと輝いた。




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