T&Y in神戸
風呂から上がるとタオルと一緒に着替えが一揃え置いてあった。
……必ず服を来て出ろということか。
大人しく袖を通して由香利が着ていたパジャマとお揃いだと気づく。
「……。」
気恥ずかしく思いながらそのまま出ると、部屋の明かりが薄暗く落とされていた 。
「由香利?」
窓辺に立つ彼女は
カーテンの隙間から外を眺めていた。
傍らに立つと甦るデジャブ。
「……漁り火とは全然違うんだけど、」
初めての夜を過ごしたあの夏の夜。
「波の音もしないな。」
甦るーーー
思い出の小さな別荘。
孤独な海鳥が渡るオレンジの海。
レモン色の小さなパーカー。
砂の山。
夕食のハンバーグ。
ひとつのベッドに眠る
初めての痛みに、堪える由香利の涙ーーー。
身も心も満たされた夜。
「たあちゃん…」