T&Y in神戸
「ーーー……」
息を殺してクスクスと笑う声と、ひんやりとした感触が頬に触れる。
寝た振りをして伺えば、由香利が髭を触って笑っていると分かる。
髭がそんなに楽しいか?
楽しげな雰囲気に目を開けるタイミングを逃してしまう。
ヒヤリとしたゆびさきがが顎をなぞり、頬を滑る。
髭に飽きたのか、押し殺した笑い声が収まると、指先がゆっくりと眉を、目蓋を撫で、鼻筋を滑る。
空いた間に、もう、いいだろうと声をかける直前、そっと指先が唇をなぞった。
「たあちゃん…」
ためらいがちに囁かれた俺の名前。
近くに感じる息づかい。
ーーー唇に、
ふわりと触れたモノを確かめたくて目を開けた。