食卓
キーボードを叩いていると

お、という声が後ろから

聞こえてきた。


「なに、頑張ってんじゃん」


振り返ると、

田中くんが立っていた。


「あ、飲む?」


田中くんは手にしていた

二つの缶コーヒーのうち一つを

私に差し出した。



「…いらないや」



田中くんは軽く笑って

自分の席についた。





【…頑張ってる、か】




誉められるのは、

少しばかり気分がいい。






ふう、と息を吐いて、

私は再びパソコンの画面と

向き合った。
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