愛なんてない
弥生は俯いたまま、電柱を背に座り込んでるように見えた。
「弥生、風邪引くぞ。早く家に入れよ」
俺は弥生の肩を揺すりながら呼びかけた。
だが……。
弥生の体はガクガクと揺れるばかりで。
そして――
まったく手応えがなかった。
眠ったのか?
眠ったのか意識を失った時に近い、まったく力が抜けた状態。
なんだ、やっぱり寝てるんじゃないか。
「弥生、ほらアパートに戻るぞ」
俺はしょうがないな、と思っていつものように弥生の体に触れ抱き上げようとしたが。