愛なんてない
麻美の叫びに、誰も答える言葉などありはしない。
「弥生はお兄さんへの気持ちを悟られないように、咲子さんとの仲を壊さないために、アルバイトまでして独り暮らしをしようと気を使ったんですよ!
本当はすごく甘えん坊の寂しがり屋のあの子が……どんなに考えて悩んで出した結論か。
相良先生の事だって。弥生は“先生を護りたい。先生に必要にしてもらいたい”ってずっと言ってたんですよ……!」
俺を……護ろうと?
「どういう事だ?」と俺は麻美に詰め寄った。
弥生が俺をいつ護ろうとしたのか、なんて俺はわからなかった。