愛なんてない
その瞬間、俺の中で全てが繋がった。
弥生を決定的に追い詰めたのは……。
俺は黙って玄関のドアを開いた。
そこに立っていたのはかつて愛した葵と瓜二つの姿。
心がざわめきたった。
……かつては。
この弥生を見るたびに葵も生きているようで。
実際に葵が亡くなってから、耐えかねてこの弥生と男女の仲になったのは一度や二度じゃない。
だが、だからこそ。
葵はもう亡いのだ、と。そう心に刻み込んでいった。
確かに愛した。
確かに全てを捧げようとした。
だが……。