可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。


----------ミズハラアイ。




はっきりと思い出したわけじゃない。けれどその名前が、自分の記憶の引き出しのどこかに閉まってあるような、そんな既視感を覚えた。



「水原愛さん?その人がなぎ………水原くんのお姉さん?」
「渚って言えばいいよ。……どうせいつもそう呼んでるんでしょ」

「……で、その人がどうかしたの?」


あたしがしらんふりを突き通そうとすると、七瀬はすこし痛そうな顔をして苦笑した。


「愛さんは12コ年が離れた渚のお姉さんで。『成星院学園大付属』のOGなんだ」




耳に馴染んだその校名に、心臓が、大きく脈打った。

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