可愛げのないあたしと、キスフレンドなあいつ。



『成星院学園』



それは幼稚舎から大学院まで擁するとても有名な学校法人の名称だ。


各学校の偏差値の高さもさることながら、何より有名なのが生徒の自主性を最大限に伸ばそうとする『自律自由』の精神を掲げた校風だった。

名門と言われる家柄の子女が多く在籍するけど、成星院学園にはただの『お金持ち私立』という印象を越えた、父兄からも学生からも憧憬と羨望を集める確固としたブランドイメージがあった。



ネームバリューの亡者でブランド好きなババアに乞われ中学受験したあたしは、去年までその成星院の中等部に在籍していた。







「愛さんってさ。水原家の姉弟の中でも特に頭がよくて、大学は国立に通っていたけど。中等部から高等部までは特待生枠で成星院に在籍していて。それで中等部生のときには生徒会長もやっていたんだ」

「………そうなんだ」

「崎谷さんは知ってるでしょ。成星院学園には『後星会(ゴセイカイ)』っていう生徒会のOBOGが主体になって組織された後援会があって。成星院で生徒会を務めた生徒は、卒業した後も『後星会』のメンバーとして、学校行事の資金集めとか手伝いとかに借り出されてるの」




七瀬の話がどこへたどり着こうとしているのか。

最後まで話されなくても十分だった。


< 174 / 306 >

この作品をシェア

pagetop