これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「住所を教えてください、ナビに案内させます」
「はい。えーっと」

私は自分の住むマンションの住所を告げて、カーステレオから流れる音楽に耳を傾けた。

ラジオだろうか、心地よいジャズが流れてくる。

車がゆっくりと発車して、ナビが道案内をはじめた。

「今日は結局お世話になりっぱなしでした」

一日振り返ってみれば、私はお土産には猫缶を準備したし、オムライスもラーメンもおごってもらった。初めて訪れた男性の部屋で眠りこけたし、今は家まで送ってもらっている。

こ、これってあきれられてもしょうがない……?

いまさら遅いとわかっていても、不安になってしまう。

「いいえ、久しぶりに楽しい休日をすごせましたよ。あなたは私の斜め上を行く人ですから」

クスクスと声を出して笑っているその顔に思わず見とれてしまいそうになるけれど、よく考えたら、褒められているのかけなされているのか……。

「あの……、いい意味で受け取っていいんでしょうか?」

「もちろんですよ。でも私以外の男性の前で眠りこけたり、助手席に乗ったりしてはいけませんよ」

前を見て運転していた視線を私にちらっと私に向けて諭すように言われた。
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