スイートな御曹司と愛されルームシェア
今どきは子どもの安全のため、知らない人が勝手に見に来ることを良く思わない人もいる、と聞いたことがある。咲良は初対面だし挨拶をしなければ、とあわてて立ち上がった。
「私、優弥くんが通っている学習塾の講師の岡崎咲良と言います。あの、優弥くんが好きだって言ってたんで作ってきたんですけど、これ、差し入れの蜂蜜レモンなんです。よかったらみなさんで召し上がってください」
そう言って咲良は保冷バッグをコーチに差し出した。受け取ろうと手を伸ばしてきたコーチが、保冷バッグの持ち手ではなく、それを持つ咲良の手を握った。
「えっ」
咲良は驚いて持ち手を離そうとするが、彼は手を離してくれない。
「あのっ」
咲良が見上げたとき、コーチが赤い野球帽を取った。逆光の中現れたのは、柔らかそうな栗色の髪に包まれた、日焼けした翔太の顔……。
「翔太くん」
「咲良さん」
彼の声は少しかすれていた。信じられない思いで見つめる咲良を、彼も同じような目で見返している。
「どうしてここに……」
二人で同時に同じことを言い、それに気づいて小さく笑ったとき、間に優弥が割り込んできた。
「私、優弥くんが通っている学習塾の講師の岡崎咲良と言います。あの、優弥くんが好きだって言ってたんで作ってきたんですけど、これ、差し入れの蜂蜜レモンなんです。よかったらみなさんで召し上がってください」
そう言って咲良は保冷バッグをコーチに差し出した。受け取ろうと手を伸ばしてきたコーチが、保冷バッグの持ち手ではなく、それを持つ咲良の手を握った。
「えっ」
咲良は驚いて持ち手を離そうとするが、彼は手を離してくれない。
「あのっ」
咲良が見上げたとき、コーチが赤い野球帽を取った。逆光の中現れたのは、柔らかそうな栗色の髪に包まれた、日焼けした翔太の顔……。
「翔太くん」
「咲良さん」
彼の声は少しかすれていた。信じられない思いで見つめる咲良を、彼も同じような目で見返している。
「どうしてここに……」
二人で同時に同じことを言い、それに気づいて小さく笑ったとき、間に優弥が割り込んできた。