スイートな御曹司と愛されルームシェア
 翔太が嬉しそうに目を細め、咲良ははにかみながら答える。

「あまり上手じゃないけど、食べられないことはないと思うわ」
「咲良さんは食べたんですか?」
「ええ、さっき」
「それなら毒味は済んでるってことですね」

 翔太のいたずらっぽい口調に、彼と一緒に過ごした楽しかった時間が蘇る。彼が変わっていないようで、嬉しかった。

「わからないわよ。後で毒を仕込んだかも」
「それは大変だ」

 翔太がおどけたように額に手を当てた。咲良は一歩中に入って、翔太に部屋に入るよう促す。

「お邪魔します」

 部屋に入った翔太は、テレビを見て顔をほころばせた。

「咲良さんも野球を見るんですね」
「見たのは久しぶりよ。じゃあ、肉じゃが、温め直すね。先にコーヒーでも飲む?」

 咲良はキッチンへ行こうとしたが、翔太に手首をつかまれた。ぐいっと引き寄せられ、熱っぽい眼差しでまっすぐ見つめられて、視線が外せなくなる。
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