スイートな御曹司と愛されルームシェア
「そうなの……?」

 本当に覚えていない。でも、ラッキーに出会ったのは覚えていたから、そのつもりでかいがいしく世話をしたのかもしれない。

「見ず知らずの俺に、何の下心もなく優しくしてくれて、俺はもうあのときには咲良さんに心を奪われていた。それなのに、俺を死んだ愛犬だと思っていたと知ったときは、心底がっかりしましたけどね」

 そう言って小さく笑った翔太の表情は、切なげだ。

「そんなに前から、私のことを……?」
「はい」

 おずおずと見上げた咲良に、翔太が力強くうなずいた。

「じゃあ、最初から言ってくれた〝キレイ〟とか〝かわいい〟とかいう言葉は、私を誘惑するためのものじゃなくて、全部本心だったの?」
「そうです。心からそう思っていました。それに今も……」

 翔太が咲良のカールした毛先に指を巻き付け、目を伏せてキスを落とした。

「ヘアスタイルを変えたんですね。以前のような大人っぽいのもステキでしたけど、今みたいなふんわりしたのも、すごくかわいい」

 彼の仕草と言葉にドキンとして、咲良は視線をそらした。

「しょ、翔太くんは全然変わってないね。日に焼けたとは思ったけど」
「そうなんです。咲良さんのおかげなんですよ」
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