スイートな御曹司と愛されルームシェア
「二十六歳です」
咲良は翔太の顔をまじまじと見た。
(二十六の大人の男が、行くところがないですって? やっぱりヤバイんじゃない、この男)
じろじろと遠慮のない咲良の視線を受け止めながら、翔太がおずおずと言う。
「咲良さんのことも教えてくれましたよ。ラッキーが天国に行ってからのことを」
「は?」
咲良は思わず眉を寄せる。
「〝大好きなラッキーが死んですごく寂しかった。せっかく戻ってきてくれたんだから、もうずっと一緒にいてね、離れないでね〟って。ベッドの上で一緒に寝ながら、そう言ってくれたんです」
咲良は目を見開いた。頬が熱くなるのがわかる。
「咲良さん、眠るまでずっと俺の髪を撫でてました。そうしながら話してくれましたよ。咲良さんって創智学院って学習塾の講師なんですよね」
咲良は無言で彼を見た。もう耳たぶまで熱い。
「それで、昨日は一緒に塾を立ち上げた恭平さんって人に失恋したって……」
「わーっ」
咲良は思わずローテーブルに左手をついて身を乗り出し、右手で彼の口を押さえていた。見ず知らずの男を家に連れ込んだあげく、プライベートなことをペラペラ話していたなんて、自分が信じられない。
「俺たちはもう知らない仲じゃないと思うんです。だから、〝ずうっと面倒を見てあげる〟っていう約束、守ってくれますよね?」
翔太に真顔で言われて、咲良はあわてる。
「や、ちょっと待って。やっぱりおかしいでしょ? あなただって初めて会った女の家に居候するなんて、ありえないと思わない? あなた働いてないの? 行くところがないって、もしかして失業して家賃が払えなくなって住んでいるところを追い出されたとか?」
咲良は翔太の顔をまじまじと見た。
(二十六の大人の男が、行くところがないですって? やっぱりヤバイんじゃない、この男)
じろじろと遠慮のない咲良の視線を受け止めながら、翔太がおずおずと言う。
「咲良さんのことも教えてくれましたよ。ラッキーが天国に行ってからのことを」
「は?」
咲良は思わず眉を寄せる。
「〝大好きなラッキーが死んですごく寂しかった。せっかく戻ってきてくれたんだから、もうずっと一緒にいてね、離れないでね〟って。ベッドの上で一緒に寝ながら、そう言ってくれたんです」
咲良は目を見開いた。頬が熱くなるのがわかる。
「咲良さん、眠るまでずっと俺の髪を撫でてました。そうしながら話してくれましたよ。咲良さんって創智学院って学習塾の講師なんですよね」
咲良は無言で彼を見た。もう耳たぶまで熱い。
「それで、昨日は一緒に塾を立ち上げた恭平さんって人に失恋したって……」
「わーっ」
咲良は思わずローテーブルに左手をついて身を乗り出し、右手で彼の口を押さえていた。見ず知らずの男を家に連れ込んだあげく、プライベートなことをペラペラ話していたなんて、自分が信じられない。
「俺たちはもう知らない仲じゃないと思うんです。だから、〝ずうっと面倒を見てあげる〟っていう約束、守ってくれますよね?」
翔太に真顔で言われて、咲良はあわてる。
「や、ちょっと待って。やっぱりおかしいでしょ? あなただって初めて会った女の家に居候するなんて、ありえないと思わない? あなた働いてないの? 行くところがないって、もしかして失業して家賃が払えなくなって住んでいるところを追い出されたとか?」