スイートな御曹司と愛されルームシェア
駅前の居酒屋でお一人様でやけ酒をあおった後、咲良はマンションに戻った。ドアを開けて玄関に座り込み、中にいる翔太に声をかける。
「たらいま~」
「咲良さん」
翔太が驚いた顔で玄関まで迎えに来た。
「咲良さん、飲んできたんですか?」
「ん~、そう。う~んと飲みたい気分らったから」
「でも、俺が夕食を作るからお腹すかせて帰ってきてくださいねって言ったのに……」
不満そうな翔太の顔を見上げ、咲良は立ち上がってそのシャツの胸元をつかんだ。
「っさいなっ、ラッキーは文句なんか言わないのよっ」
そう言って咲良は翔太の胸を押しやった。乱暴にしたのにびくともしないのが腹立たしくて、その厚い胸板をぽかりとぶってやる。完全な八つ当たりだとはわかっているが、咲良の胸にあるのは、わかっていてやめられるほど簡単な感情ではなかった。
「今日は誰も連れ帰ってないでしょうね」
翔太の冗談交じりの口調を聞き、咲良は彼を睨み上げた。
「男になんか、金輪際、絶対にかかわらない!」
咲良の赤く充血した目を見て、翔太が咲良を抱えるようにしながらベッドに向かう。力強い腕に支えられて、そのまま甘えてしまいたい衝動を、咲良は必死で抑え込んだ。
咲良をベッドに座らせ、その前に片膝をついて翔太が咲良を見上げた。