秘密の館
美味しそうな高級な食べ物が食卓に並べら
れ、それをお腹が空いていた海人と真美は
バクバクと食べていた。

それをお爺ちゃんは、にこやかに微笑んで
見つめている。



....だが、どうしても二人に聞こうとしてい
たことを海人は思い出した。



12歳の頃は教えてくれなかったが、
今なら18歳にもなったんだ。


兄さんの事で少しはわかる事があるかもし
れない。


「あの、どうしても聞いておきたいことが
あって........。」


「ん?なんだね。」

お爺ちゃんはにこやかな表情で言った。


「行方不明の兄さんの件です。」

それを聞いた二人の表情は変わった。


「少しでもわかることがあれば教えて欲し
いんですが....。」

二人は少し顔を見合わせて、また海人の方
に視線を向けた。

お爺ちゃんは、何かを知っているのか
ウズウズとしていた。



だが......... 。



「いいえ。何も知らないわ。」

お婆ちゃんは真顔でハッキリとした口調で
そう言った。

「........そうですか。」

海人はそう言いながら、スプーンでオニオ
ンスープをつまらなさそうにしょんぼりと
クルクル回した。



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