秘密の館
夕食を終えた海人は、お婆ちゃんが用意し
た古臭い部屋のベッドの上に腰を落として
座っていた。


................ギーー


すると、ドアを開ける古臭く軋む音がす
る。

扉の方を振り向くと、そこに顔を少し覗か
せた妹がいた。


「どうした?」

彼はそのままの場所で答えた。


「....一緒に寝てもいい?」

「うーん........。いいけど、今夜だけだ
よ。」

「うん。」

真美は小さな声で返事をして、部屋に入り
海人のそばまで来た。


海人は、ふと思いついたかのように言っ
た。


「真美、図書室へ行こうか。」

「わぁー。図書室があるのね!」

真美は目を輝かせて喜んだ。



海人は時計をちらりと見た。


........まだ7時半。


今なら、お婆ちゃんもまだ鍵は締めないだ
ろう。


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