秘密の館
とても頑丈にできた固くて両方に取っ手の
ついた図書室の扉を海人は力を込めて開い
た。



............ギーーーー。




そこは........どの本にするか、悩むほどのな
んでも揃った図書室だった。



本棚にぎっしりと綺麗に詰め込まれた本が
大量にある。



「わぁー!!凄ーい!」

真美は感動していた。
それもそのはず、真美は本が大好きなの
だ。



海人は歩きだし本を見渡しながら言った。

「真美ー、どれ読んでほしい?」

童話のヘンゼルとグレーテルが見えて、一
番左側にある棚の方に彼は歩いた。

「........この辺に、童話沢山あるよ?」

そう言って振り向くと、何やら真美が本を
取り出してきてこちらへ笑顔で走って来
た。

「あたし、これがいい!」

そう言って見せてきたのは、ある戦争小説だった。

「............沖縄の手記から。こんなので
いいのか?」

「うん!」

キラキラした瞳を海人に向ける。

海人は微笑みながら言った。

「じゃあ、今夜はこれを読んで寝よう。」



..........そうして、2人は部屋へと戻った。



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