きみの声を聞かせて
やばい……。
誰かにぶつかっちゃった。
わたしは自分の飛んでしまったものを拾う前に、ぶつかってしまった人のものを急いで拾った。
そして廊下に転がった教科書とノートと筆箱を拾うと俯きながら手渡して
自分の前に両手を合わせてごめんなさいと心の中で謝った。
「あ、ありがと
あんた大丈夫だったか?」
そう少し低めな声を掛けられて、おそるおそる顔をあげてみると
もし声が出たら絶対に「あっ……」と無意識に声を上げてしまいそうなくらいかっこいい人がいた。