きみの声を聞かせて



学校が終わって、放課後になると部活に行く前にクラスの人たちに押し付けられた仕事をこなす。



もちろん、それは部活の先輩に伝えてから。



掲示物を剥がして、新しい掲示物を画鋲で止めたり、提出物チェックを名簿を渡されてさせられたり。



時間が結構かかってしまうと、先輩達が本当にやっているかと疑ってわざわざ隠れて見にくる日もある。



そしてようやく仕事を終えて、体育館に行って着替えてシューズを履くと今日はまだ顧問の先生は来ていないようだった。



「こんにちは!遅くなってすみません!」



とみんなに言ってもこっちを見てきたのに無視。



そして部長は部員達を全員呼んで、丸くなるとわたしの愚痴を言いだす。



なんで分かるのかというと、この人たちも愚痴を言っている間チラっとこっちに目線を向けるからだ。



いつものことだけど、本当に胸が痛くなるくらい傷つく。



わたしだって、2年生の先輩のポジションを取ってレギュラーになったことに罪悪感はある。



< 8 / 308 >

この作品をシェア

pagetop