eternal Lovers
「…いいよ。俺、ちゃんと聞くよ。」
人生初の出来事が、どんどん大きくなって行く。
最初は受け身だったけど、今度は自分から。
そう思ってあたしは深く息を吸った。
「あたし、今日、津川さんと一緒にいながら考えたんです。
あたしの気持ちって、どうなんだろうって。
それで気付いたんです。自分の気持ちを決めつけて話すんじゃなくて、
思っているありのままを話そうって。」
「うん。」
「最初は…すごい軟派な人だと思ってました。普通、ぶつかっただけで声かけないし。
でも、顔見知りだったからかな…話しても嫌じゃなかった。
いきなりキスされて、混乱して、頭真っ白で…
それで、次の日バイトに行って、津川さん来なくて、すごく不安だったんです。
自分のせいなんじゃないかって。
次の日も、そのまた次の日も。
メールしてたけどお店には来てくれなくて、すっごく不安でした。
でも今日、久々に津川さんの笑顔見れて、すっごく安心したんです。
すっごく嬉しかったんです。いっぱい笑ってくれてて。
あたし、店員の立場だったから全然分からなかったけど、
なんだかんだで津川さんのこと、気になってたんだな…って。
これがちゃんとした好きなのかどうかは分からないんですけど…」
「それでも俺はいいよ。」
「えっ?」
「今は俺の方が好きって気持ちが上かもしれない。
けど、これからいっぱいいろんなところを見つけてくれればいい。
それで嫌いになったら嫌いになったでいい。」
津川さんの目はすごく真剣だった。
あたしはその目に引き寄せられるように近づいた。
「あたし…たぶん、津川さんのこと、好きなんだと思います…。」
ああ、なんて意味不明なことを言っているんだろう。
自分で情けなく思った。
「じゃあ、これからその“思う”を無くしていこう?
本当に“好き”って言えるように…2人で。」