Kiss of a shock ~涙と~
直人…?


そう問いかけて、健二は青ざめる直人を見つめた。


まさか―けど、やっぱりそうなのか・・・。


健二はきょとんとしている万理香を見遣り、静かに微笑み問いかけた。


「なんで、こいつと知り合いなの、万里香ちゃん?」


「…え?え?えと…」


何て言えば良いんだろう―?


と、いうか答えた方が良いのか悪いのかも分からない。


困惑している間に健二の方が先に答えを出した。


「まあ、いいや。そんなことどうでも。そう、けど直人か…ふぅん…」


ものすごく、意味ありげにそう言ってにまりと不敵な笑みを浮かべた。


何・・・?


何だろう、知り合い・・・なの?


万理香は二人の顔を見比べながら、扉にしがみついている。


「健二・・・」


直人がその名を再び呟くと、健二はふっと鼻を鳴らして微笑み言った。


「そう、ふうん、そうか・・・。」


もう、18年。


お前のことを忘れたことはなかったけど・・・そうか。


「陣内、鍵開けて。」


「え・・?」


陣内は、思わぬ指令に躊躇った声を上げた。


だが、すぐにその指令が冗談ではないのだと察し鍵を開けると、万理香はタッと飛び出して直人の腕の中に飛び込んだ。


「くす・・・なるほど、久しぶりに会ったけど、相変わらず、直人は良い奴を演じてるんだね。」


「健二・・・俺は」


一言、言葉を返すことも拒否するように健二は陣内に向かい手を軽く挙げた。


それを、合図に扉が閉まり、窓ガラスが上がっていく。


「万理香ちゃん、またね。」


万理香の返事を待たずに、車は走りだした。
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