Kiss of a shock ~涙と~
泊まってけば、とまるで当然みたいに言われて万理香はあからさまに警戒心をあらわに声を上げていた。


男の人の家にお泊りだなんて―、残念ながらこれまで一度もなかった体験だ。


人生初が、この人の前で何度起こるのだろうか・・・。


「え、えっと、えっと・・・。」


お風呂上りだっていうのに、変な汗とかかいてしまいそう。


意識、することないのよね。


だって、この人は親切で、そう、親切で言ってくれてるんだから。


初対面の時から―、そう。


ぶっきらぼうで、意地悪で、あんまり感情は見えない人だけれど・・・優しくて・・・頼りになって男らしくて・・・。


あれ・・・?


何だか、顔が、くぁぁぁぁ―っと熱くなってきた。


「こっち。」


こっち、と言ってまた万理香の前をすたすたと歩いて行く。


泊まりますとも答えてないのに、本当に強引な人だな・・・。


そう思いつつ、万理香はぽりぽりと頭を掻いてその後をついて行った。
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