Kiss of a shock ~涙と~
しぶしぶ唇と、身体を離すと陣内はため息を漏らした。


「じゃあ、続きは後で。」


「くす、良いよ。」


「それで、あの子、やっぱり欲しいんですか?」


不服そうに言うと、髪を整える。


健二はう~んと唸って言った。


「そうだなぁ。」


お金に苦しんで、家族を失ったのだから、お金を恨んで当然だろう。


だけれど、それゆえにお金がどれほど必要で大事なものかは分かっているはずだ。


誰よりも。


そんな万理香が、自分の手に堕ちるところを見てみたい。


「やっぱり、欲しいなぁ。」


健二はそう呟いて、寒々しい笑顔で微笑んだ。
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