紅色に染まる秘密の恋(休筆中)

「……心配?…お父さんが?」

その瞬間、私は固まってしまった。


だって…我儘を言ってしまったら

忙しい父を困らせてしまう。

父には心配をかけないように

笑顔で振舞って気をつけていたのに…。

なのに、心配をかけてた?

やっぱり、わかってしまった?


すると

『…紅。
変な意味で言ったんじゃねえから
食べる手を止めなくていいぜ。』

と、苦笑いしながらりとさんは

吸殻入りの携帯灰皿を縁側に置いた。


『…俺も気づいてた。
紅が時々無理してるんじゃねえかって。』

そう言って彼は軽く私の頭を撫でた後

私の横に腰掛けると

『…紅は小学生なのに
大人並みに人の気持ちがわかる
親孝行なお利口さんだと
俺はお前を見てそう思ってる。
先生を困らせて心配かけちゃダメだとか
塾が忙しいのに
家では母親代わりまでしてる先生に
これ以上我儘言っちゃダメだとか思って
無理して頑張って笑顔作って
過ごしてたんじゃねえかって思ってた。
………違うか?』

と言いながら

お弁当と一緒に持ってきていた

ペットボトルのお茶を口にした彼は

もう一度私に視線を向けた。
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