家族ごっこ
期待を裏切らない見た目だなおい。
「そのとおり、私が楷さんです!」
変なおじさんの自己紹介と酷似してる。
「司馬羽故です。こちらは母です」
後ろに控えてるママを説明する。
「どうも楷です」
ペコリと挨拶する楷さん。
「あっ、どうも…母です。羽故がお世話になります」
こちらも丁寧に挨拶。
大人の世界を見た気がする。
「お荷物はこの二つですか?」
楷さんに聞かれ、頷いた。
すると。
ばたんばたんとロケ車のドアが開いて閉まり、中から黒服の男が二人現れた。
筋肉ムキムキ。
趣味はボディービルですと言った、黒光りした男共。
「…」
「…」
二人とも無言で私の荷物を引ったくり、ロケ車のトランクへ放り投げていく。
その間二秒くらい。
仕事を終えたらしい奴等は、またロケ車へ消えていった。
「なっ、」
やっと口が開いたぜ。