みすみの花が開くとき
あ。トイレ行こう。


席を立つ。





トイレから出ると、柾と紅葉が居た。

紅葉とは、目線があまり変わらず、その鋭い視線がモロに合った。


「よぉ、誠」

「少しお話、よろしいですか?」


酔った口調ではなかった。


「何?」

「まずは、おめでとう」

「雪さんを、よろしくお願いします」

「あぁ…。ありがとう。解ってるよ」


紅葉は、目付きをさらに鋭くした。


「英兎さんが見込んだ方を信用しないわけではありませんが、改めてお聞きします」


『お聞きします』ってわりには、目付きが攻撃的だな。


「どんな時も雪さんを愛し、守る事を誓えますか?」


結婚式みたい。


「誠」


あぁ、呑気だったな。


「誓う。僕は、どんな時も雪を愛し、守る」

「…本当ですね?」

「…本当に」


少しの沈黙。


「…解りました。失礼しました」


紅葉は、軽く頭を下げて部屋に戻って行った。

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