佐藤くんは甘くない


その姿が、重なる。


自分が許せなくなって、呪う姿が、ぴったりと。



怖くなった。

……そうだ。何を、私は分かった風に佐藤くんを語っていたんだろう。

私は、知らない。


私は、いまだに佐藤くんの一番深いところを知らない。


例え、佐藤くんと和解して、また4人で楽しい日々を送ったとしても。それは、その壁は、直面するだろう、佐藤くんが乗り越えるべき壁は、私を佐藤くんをひまりちゃんを、瀬尾を、阻むことになる。



一番大切で、おそらく一番残酷な───冷たい真実を私は、知らない。



どうして。


「……どう、して」


どうして、佐藤くんは。

一歩、足が勝手に踏み出す。


どうして、佐藤くんが。





「───那月、くん」




───女嫌いになったのかを。




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