佐藤くんは甘くない
そう、あの日。
6月28日。7歳の誕生日。
数日前から、お母さんは僕のために豪華な手料理を作ってくれると約束してくれた。普段仕事で夜遅くに帰ってくるお父さんも、早く帰ってきてくれるらしい。
朝から、お母さんは準備に張り切っていた。
チキンの下ごしらえや、僕の大好きなオムライスや、から揚げ、ちらし寿司、それから手作りの大きなケーキ。
ワクワクした。
自分の生まれてきた日が祝われるなんてこと、あんまり考えもしなかったけれど、それでもたくさんの料理やケーキがテーブルに並べられて行くたび心臓がドクドクと脈を打つ。
ケーキに立てられるローソクを何度も数えては、口に笑みが漏れる。
最高の誕生日が待っている。
待っていると、思っていた。