佐藤くんは甘くない
お母さんは次の日も、その次の日も、そのまた次の日も、泣き続けた。狂ったように泣き続けた。
以前の明るい母の面影は、そこにはもうなかった。
すべてがもぬけの殻になってしまったように、羽化した蝉が殻から抜けてしまったように。お母さんは、からっぽになってしまった。
家の中は、めちゃくちゃだった。
お父さんがお母さんを慰めようとすると、逆行してしまいには言い争うようになった。柚月がいたときの仲の良かったあの時が、遠い昔のように感じてしまった。
それも、これも全部は僕が僕自身が招いた結果で。
でも、その罪を一人で背負い込むには、あまりに荷が重すぎて。
誰でもいいから、許してほしかった。
大丈夫だよと抱きしめてほしかった。
貴方は悪くないと優しく頭を撫でてほしかった。
例えそれが、偽りに染まった虚言だとしても。