佐藤くんは甘くない
───ごめんな、さい。
くちから、ぽろりと声が漏れる。
───ごめんな、さい。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
何度も何度も、何度も、何度も、何度も、謝った。
許されるわけがないのに、それでも謝った。
自分が大嫌いだった。
鏡を見るたび、いつものように変わらずにそこにいる自分が、大嫌いだった。
落ち込む自分が、大嫌いだった。
笑おうとする自分が、大嫌いだった。
弱すぎる自分が、大嫌いだった。
大嫌いだと思う自分が、大嫌いだった。
全部、消えてしまえればいい。
無くなってしまえたら、って何度も思った。
僕のせいで、柚月は落ち込むことも、笑うことも、弱さを受け入れることも、嫌悪することも、できなくなったのだから。