佐藤くんは甘くない
「ハンドメイドっていうのは、自分でアクセサリーを作ったりすることですよ。私のお母さんも一時期はまってたので、ちょっとだけ分かるんです」
「……ふうん」
佐藤くんが興味なさそうに、窘める。
あんまりのそっけなさに、少し眉をひそめた。けど、すぐにその理由を思い出す。
ああ、そうか。
……佐藤くんはあんまり花が好きじゃないんだっけ。
ん?
でも、少し変だ。
「でも、変ッスね。アクセサリーが入ってるのが11枚のうち3枚だけって言うのは。なんで最初から入れなかったんでしょう」
「さあ。……でも、それが入ってたのは、結城がくれた手紙と、その前の年と、その前の年からだけど」
「アクセサリーが入っていたのは、3年前から……ってことですか」
佐藤くんも少しだけ不思議そうに、首をかしげる。
「佐藤くん、あんまり花が好きじゃないって言ってましたけど……」
「……そういうやつなら別に、好きでも嫌いでもないけど。花が一輪飾ってあるだけでも、くしゃみ止まらなくなるから」
「花粉症ッスか?」
「……うん」
小さく頷く。
そうして、苦虫をかみつぶしたような険しい顔で、
「父さんの家は、花がいっぱいで地獄だし」
「佐藤くんのお父さんは、佐藤くんに似てメルヘンな方なんですか?」
「殴るよ」
「すいませんっ、ぐーは止めましょう!!ぐーは!!」