『土方大明神』
「「浅葱くん………!!」」
その様子に体勢を崩し声をあげた近藤珠希の声が途中で途切れたのも気付かず無我夢中で追ってくる黒い物体から全速力で走る。
―――ガツッ………!!
何かに躓きそのまま身体は宙を浮き地面の上に派手に倒れ持っていた懐中電灯が手から離れた。
「「「はあ……はあ……!!」」」
息も絶え絶えに急いで懐中電灯を探そうとした背後に…馬鹿でかい口に尖った歯が頬の先を突き抜けて耳ほどにまで裂け砲口をあげた。