大好きな君へ。
優香と共に
 《大好きな隼へ。》

隼、ごめんね。
私を許して……


私は何時も男の人に後を付けられていたの。

最初は、これがストーカーって言うヤツか。
何て呑気に考えていたの。

でも半年以上続くと、さすがに怖くなってきた。

このまま……
この人の餌食になるのかな?
何て思えてきて……


そんな時に、隼と再会した。


私……
こともあろうに、隼に抱き付いてしまったの。

だって地獄に仏だったんだもん。
小さな頃から隼のことが大好きだった。
だから本当に嬉しかったの。


でもそれは私の一人合点。
ストーカーが何を仕出かすか解らないから、本当は怖くて仕方ないの。


ねえ、隼覚えている?
私がずっと前に言ってたこと。


私ね、後ろ姿で隼だって解るの。


隼は何時も清潔そうなスポーツ刈りだったでしょう?

だから私、あの日のすぐに解ったの。


隼だと解った瞬間に、鳥肌が立った。
そうよ。私は隼を求めていた。
ストーカーに遣られる前に隼と結ばれたかったの。


ごめんなさい隼……
本当に本当にごめんなさい。
もし、私に何かがあったとしても自分を責めないで……
隼の立場を知りながら、巻き込んだ私が悪いのだから……




 追伸。
今、私のお腹の中で小さな命が産声上げている……

子供が出来たの。
隼との子供が……


原島先生に何て言おう。
先生の言う通り、お天道様はお見通しなのにね。

隼……
これだけは信じてね。
私……
隼以外の男の人とは経験ないの。


だから正真正銘、この子は隼の子供です。


まだ早いけど、隼人って名付けました。
隼の子供だからね。
この子が早く人になれますように……


隼。
きっと迷惑よね。
でも……
私隼が大好きです。


結夏。
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