王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~
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ランバートが舞踏ホールで収穫祭の開催を告げたのが17時。
それから会場内はいくつかの話題で盛り上がり、その中のひとつにはコールリッジ伯爵令嬢が収穫祭に参加しているというものもあったから、エリナはひとまずホッとした。
しかしそうかと思えばウィルフレッドがウェンディに派手なプロポーズをして、会場は拍手と悲鳴に沸き、興奮も醒めやらぬままに18時の収穫のときを迎えようとしていた。
「ウィルも案外派手なことするよな。ほんとは俺に、ウェンディは本当に来てくれるかなあなんて、泣き言言ってたくせに」
そう言って文句を付けるのはキットであるが、表情が緩んで嬉しそうだ。
キットとエリナは昼間から屋敷の一室で衣装を整え、少し休んでから、ちょうど収穫祭が始まる頃に舞踏ホールへ下りて来た。
その頃にはもう会場はたくさんの人で溢れていて、王太子が姿を現すといっせいに注目を浴び、13年に一度の収穫祭という特別感を更に実感したのか、お祝いムードが高まっていた。
ふたりのまわりには入れ替わり多くの人が集まり、王子にあいさつを述べたあと、皆一様に見慣れないエリナのことを不思議そうに見やったが、キットの寵愛を受けていることは間違いなさそうに見えたので、こちらが恥ずかしくなるくらいに褒め称えるのだった。