王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~
ウィルフレッドはモテるし、今社交界で話題の結婚したい男性ナンバーワンだし、それに比べてウェンディは恋愛経験なんてこれっぽっちもない。
ウェンディの父は娘の結婚というだけでまず反対するだろうし、相手を知ればますます頑固に拒否するだろう。
今回ばかりは、母が宥めてもなかなか許してくれないだろうし、ウィルフレッドとまともに口を利いてくれるようになるのはいつになるかわからない。
国王のことだって、ウィルフレッドはなんだか自信満々だが、本当にそんなに簡単に許してくれるとは限らない。
ふたりの恋愛は前途多難だけれど、それでもウィルフレッドとなら、お互いを見失わずに、まっすぐに見つめ合っていられる気がする。
(ウィルフレッドさまとなら、がんばってみてもいいかもしれない)
自分の殻に閉じこもって、羨むだけの生活はもうやめたのだ。
手を引いてくれる人がいるから、憧れていた素敵な恋も、まわりを気にして諦めてしまうのはもったいない。
「あの、私でよければ、よろこんで!」
ウェンディはポッと頬を赤らめ、思いきりはにかみながら、もう一度ウィルフレッドの胸に飛び込んだ。
「俺は、きみがいいって言ってるんだよ」
ウィルフレッドはそう言って笑いながらもウェンディをぎゅっと抱きしめ返し、小さく「好きだよ」と囁いてくれた。