王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~
ブラウスの裾から滑り込んでくる手を、瑛莉菜は力の入らない指で押しとどめる。
「やっ、ダメ……!」
「なんで?」
「だって、この前もしたばっか……」
「俺とするの、嫌?」
「そっ、そういうことじゃ、ないけど」
するすると素肌をなでる指先に、身をよじっても逃げ場はない。
稀斗は、瑛莉菜が本気で嫌がればもちろんやめてくれるけれど、恥じらっているだけのときは容赦がないのだ。
気付けば器用な指にブラウスのボタンはひとつ残らず外され、首すじを彷徨っていた唇が、鎖骨を伝い、胸の間を通って、お臍に触れる。
稀斗の薄い唇がそのままどんどん下の方へ移動しようとするので、瑛莉菜は堪らず彼の黒髪に指を差し入れて悲鳴を上げた。
「きっ、稀斗とすると、いつも……変になっちゃうから!」
「変?」
稀斗が顔を上げ、片方の眉を器用に動かす。
ズズッと上に上がってきて、鼻先を触れ合わせた。