神様修行はじめます! 其の四

島民への扱いは、人道に反するほどひどい。


それもこれも、神の一族の能力を持たずに生まれてきたせいだ。


でもそこに浄火が現れた。


しかも絶滅しかけている天内一族という、貴重な能力をもって。


この事実は、上層部も黙って見過ごせないだろう。


常世島の存在を見直してもらう、絶好のチャンスだ。



「信子ババが約束したんだ。自分の言う通りにすれば、きっと常世島は助かるって」


「それじゃ、なに? 因業ババは常世島の人たちのために、ボランティア活動してるってこと?」



浄火には悪いけど、そんなことあり得ない。


あのババはそんな、社会のために滅私奉公するような人間じゃないもの。


他人に施しなんか、絶対にしない。


子どもの口からお菓子をもぎ取り、それを目の前で自分の口に入れるタイプよ。



「浄火、あんた因業ババの利益のために利用されてるんだよ、きっと」


「そうですわ。アマンダとの結婚も、ババァの策略のひとつなのですわ」



あたしとお岩さんは、揃って浄火にそう諭した。


このままババの言うなりになっていたら、最後は痛い目を見るに違いない。


たたでさえ気の毒な常世島の人たちが、さらに不幸になってしまうかも。


そうなったらもう、目も当てられない。



「だからあたしとの結婚も、やめた方がいいよ。浄火の方から取り消してよ」


「・・・・・・嫌だ」


「嫌って、そんな・・・良く考えてみてよ」


「だって、その話には何の証拠もねえだろ?」

< 104 / 697 >

この作品をシェア

pagetop