神様修行はじめます! 其の四
あたし達の説得にも、浄火は耳を貸そうとしない。
意志の強そうな目でハッキリ拒絶した。
「せっかくの機会を捨てるわけにはいかない。オレはなんとしても島を救いたい」
「島のことなら、あたしたちも力になるから」
「ええ。別に結婚などする必要はありませんわよ」
「島の者が、島以外の者と結婚する奇跡こそが、島民の希望になる。救済への一番の近道だ」
「それはそうかもしれないけど、でも・・・」
「じゃあふたり共、力を貸すって具体的に何の力になってくれる?」
「それは・・・・・・」
あたしとお岩さんは言葉を濁してしまう。
具体的にと言われると、何の確約もできない。ただの口約束にすぎない。
とうぜん浄火からすれば、目の前の実益を選びたくなるのも無理ない。
「それに、言ったろ? オレは里緒と結婚したいんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「里緒が気に入ったから、里緒と結婚したい。信子ババの策略なんて関係ない」
真っ直ぐに見つめられて、あたしはうつむいてしまった。
浄火の嘘のない言葉は心に素直に伝わってくる。
女にとって、それはとても嬉しい言葉。
でも・・・・・・
あたしにとって、本当にその言葉を言って欲しい人は・・・・・・。