神様修行はじめます! 其の四

彼の視線を浴びたあたしの感覚が


真っ白だった頭の中が、少しずつ正常に戻っていく。


すうぅ・・・っと体が冷えていった。


思考を支配するのは、ただひとつの事実。


『彼に見られている』


そう。

彼以外の人に。

生まれて初めてのキスを奪われた姿を。


彼以外の人に、狂おしく唇を貪られている姿を。


・・・・・・・・・・・・・。


・・・門川君に!


あたしは・・・・・・


浄火にキスされてる姿を見られているんだ!


「い・・・・・・」


ふさがれた唇から音が漏れる。


ノドの奥から絞り出すような声。


同時に熱い涙が目に盛り上がって、彼の姿を翳らせる。


あたしを見つめる彼の姿が見えなくなっても、それは何の慰めにもならなかった。


だから、あたしは訴える。


自由の全てを奪われた口腔の中で・・・


精一杯の、絶望を。



「嫌あぁぁぁーーーーー!!!」


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