神様修行はじめます! 其の四

相変わらず感情の読めない、大人な男の綺麗な横顔。


お岩さんとセバスチャンさんの幸せな未来を求めて、この島へ来たのに。


事情がどんどん複雑になってしまって、先行きが見えない。


もしもこのまま、目的が果たせなかったとしたら?


そしたらこのふたりは、これからどうなってしまうんだろう。


心配でたまらないよ・・・。


色んな事を思いあぐねていると、上からあたしを見つめる門川君の視線に気が付いた。


今までとはどこか違う、甘い熱を帯びた彼の目があたしを見てる。


―― トクン、トクン・・・


胸が切なくキュンと高鳴り、彼の言葉が脳裏によみがえる。


『僕は、君が、好きなんだよ』


・・・本当に彼と想いが通じ合ったなんて。


信じられない。まるで夢を見てるみたい。


とても嬉しくて、すごく幸せで、心がユラユラ浮き立つ。


でも手放しで喜んでばかりもいられない。まだ問題は何も片付いていないんだもの。


門川君は当主として、果たさなければならない義務があるんだ。


それが今、あたし達ふたりが一緒に成すべき事。


そうだよね? 門川君・・・。


「天内君」


「門川君・・・」


「君、大丈夫か? なんだか今にも落っこちそうに見えるんだが?」


「実はあたしもかなりヤバイと思ってたとこー!」


そ、そろそろ握力と脚力が、限界に近づいてるんですが!


筋肉があぁぁ、プルプル痙攣してるうぅぅ!

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