神様修行はじめます! 其の四
歪み

「確かに誰もいないようだな」


「みんな、いったいどこに行っちまったんだ?」


地面に寝転がってウジウジしているあたしをよそに、男三人は周囲を見渡している。


あたしも気を取り直して身を起こし、薄闇の中を伺った。


・・・ほんとだ、誰もいない。しま子の姿すら見えない。


しま子が穴に落っこちたあたしをほったらかして、どこかへ行っちゃうなんて。


普通に考えてあり得ないよ。やっぱり何かあったんだ。


―― ピクッ!


その時、門川君とセバスチャンさんの体に緊張が走った。


と、ふたり同時に同じ方向に素早く振り向く。


ひどく厳しいその目は、洞窟の出口の方を向いていた。


「永久様」

「ああ、いる」


ふたりが短く会話を交わし、うなづき合った。


・・・いる? いるって何が? みんなが出口の方にいるの?


でも何でそんな怖い顔して・・・。


―― パラパラパラ・・・


突然天井から、細かい小石が降ってきた。


見上げるあたしの目の前に、さらに小石や土埃が続けて落ちてくる。


なにこれ? それに、なんだかさっきから・・・


「ねえ、なんか聞こえない?」


あたしは集中して耳を澄ました。


・・・ほら、ほらやっぱり聞こえる。


ズシン、ズシンって。大きな何かが、寝返りでも打っているような・・・?

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