神様修行はじめます! 其の四

(ぎゃあああーーー!)


両目をギュッとつぶって、あたしは無意識の防御本能から体中の筋肉を硬直させた。


空気の抵抗も虚しく、着実に自分の体が落ちていく恐ろしい感覚。


あたしの体中から血の気が引いて、冷や汗がドッと噴き出す。


この高さから落ちたら、いくら何でも無事では済まない!


お願い門川君! 浮遊術でみんなを・・・!


―― ドスンッ!


全身に強い衝撃を受けた。


内臓から脳まで、バウンドするような強烈な痺れが駆け抜ける。


グラぁリと目が回って、意識が遠のいた。


でも充満する濃厚な植物の香りに鼻をくすぐられ、すぐに覚醒する。


(この匂いは・・・?)


あたしの全身は、すごい量のツタによって完全にスッポリ包み込まれていた。


そ、そうか。周り中ツタの海だったから。


巻き込む形で落ちて、クッション代わりになったんだ。助かった・・・。


と安心した途端、そのツタがいきなり全部フッと消滅した。


体の下に敷かれたツタも消えて、その厚み分またドスッと地面に落ちる。


ゴンッと後頭部を打って、また脳内に痺れが走った。イテ!


大地を埋め尽くすようなツタが消えたせいで、視界が急にクリアになる。


地に伏した状態で、あたしは仲間達の様子を急いで確認した。


門川君は!? みんなは無事!?


全員すぐそばで、あたしと同じように地面に横倒れになって倒れているのが見える。


身じろぎしてる様子から見て、どうやら大きな負傷はしていないらしい。


ホッと息をつきながら、すぐにあたしは自分の視界がおかしい事に気が付いた。

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