神様修行はじめます! 其の四

「セ、セバスチャンさんヤメてー!」


「天内君、口を閉じろ! 舌を噛むぞ!」


「なんなんだこりゃあ!? うおヤベ、落ちる!?」


「だから君は、僕に密着するなと言っているだろう!」


ムダとは知りつつ、叫ばずにはいられない。


「なんであんたって人は毎度毎度、味方も攻撃せずにいられないのよ!?」


ひょっとしてあたし達のこと、実はちょっと嫌いなんじゃない!?


そうじゃないならお願い、少し抑え・・・ うぐ! ひ、ひた(舌)噛んらぁぁ!


―― パチンッ


魔王は味方の窮地には目もくれず、冷徹に指を鳴らす。


すると今まで天に向かって伸びたツタが、一斉に方向を変えた。


雪崩のような勢いと質量で、ドドッと屋敷に向かって襲い掛かる。


ああ、ついに最終兵器が牙を剥いた。


これに襲われたら、あんなちっぽけな木造屋敷なんてイチコロ。魔王の完全勝利だ。


・・・あ、でもセバスチャン分かってる!? お岩さんまで巻き添えにしないでよ!?


―― キ・・・ン!


硬質な音が空間を走り、なぜかツタが屋敷に激突する寸前で弾かれた。


え!? なんでどうして!?


目を見張るあたしの目前に、大きく立ちはだかる半透明な壁のような物質。


(あれはまさか、結界術!?)


巨大な結界の壁が突然現れ、ギリギリで屋敷は破壊をまぬがれた。


なんでここに結界の壁が!?


と思った瞬間、あたし達の周りを包むように膜が張り巡らされる。


「うぬ!? し、しまった!」


―― シュウゥゥ・・・


同時に絹糸の変化が解かれ、あたし達は地面に向かって落下した。

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