神様修行はじめます! 其の四
「うおおおぉぉぉーーー!!」
人の発する声とは思えないほど、気違いじみた咆哮が聞こえた。
「てめえ・・・! 殺す!」
セバスチャンさんの両目が、ギラギラと強烈な殺気を放っている。
あの美しい顔が怒りの限度を超え、赤黒く醜く変貌していた。
決して綺麗な佇まいを崩さない彼が、狂ったように膜の中で無様に暴れまわっている。
「殺す! 殺ス! ・・・ゴロス!」
もはやその様子は、ケダモノにしか見えなかった。
完全に理性を失った姿で、お岩さんを救いたい一念だけが彼を突き動かしている。
「遥峰ーーーーー!」
命がけで抵抗するお岩さんが、じじぃの体の下からなんとか抜け出した。
お岩さんは、セバスチャンさんに向かって真っ直ぐ向かおうとする。
でも腰が抜けてしまっているのか、すぐに畳の上に倒れてしまった。
それでも這いずって逃げようとする彼女の足を、じじぃの手が掴んで引っ張る。
「嫌あぁぁ! 放してーー!」
お岩さんは無情にもズルズルと引きずり戻された。
引きずられまいとする両手のツメが畳に食い込み、バリバリと嫌な音をたてる。
極限まで見開かれた目から、涙がボタボタと流れ落ちた。
それでも彼女は抵抗した。
自分が恋する男の目の前で、絶対に諦めようとはしなかった。
両手の爪の抵抗だけでは足りずに、口を開いて歯で畳に噛み付く。
そこまでして、そうまでして全身全霊で拒絶するお岩さんに・・・
じじぃは、情け容赦なくまた覆い被さった。